2013年4月14日 一泊して、良い天気。今回のメインの高山祭の見学に出かける。

高山祭は春と秋の二回あり、どちらも大きな屋台(京都祇園、秩父夜祭と並んで日本三大祭り屋台にあげられる) で有名であるが、実は、春と秋では、出る屋台が違っている。
というか、お祭り自体、別のお祭りになる。
春(山王祭)は、市街の南にある日枝神社の祭礼であり、秋(八幡祭)は北にある桜山八幡の祭礼である。 からくりの演武も、春は高山陣屋の前、秋は桜山八幡の境内で行われるのだ。

以前に秋祭りは見に来たことがあるが、準備不足で右往左往してしまったため、今回は、準備ばっちりで、いざ出陣。


<<中橋を渡る高山祭屋台(鳳凰台)>>

高山市内
<<高山市内>>
ホテルから望む高山市内。手前が桜山八幡、古い町並みを経由して左手奥が中心部。

ホテルは、北山公園のそば、桜山八幡の裏手にある某ホテル。高台のため、ロビーから市内が一望できる。 これは、さぞ、部屋からも景色がいいだろうと思ったのだが、裏手の部屋に通された。 こちら側からは、上高地の山(・・多分)がよく見えるのだが。

高山市内

江名子川沿いの桜(千鳥橋から)

市内の桜は、満開にあと一歩といったところ。ところどころきれいに咲いているのだが、どこか満たされていない。
何はともあれ、せせらぎに桜は、よく似合う。

高山市内

<<宮川朝市>>
宮川沿いは、桜もいいが柳も美しい。朝市とは言いつつ、田舎のおばさんが道端に店を開いている光景を想像していたのだが、 だいぶ違っていて、観光客相手の普通のお店の集まりであった。でも、結構、名物がそろっていて、あちこちで買い物をするよりは、 ここで済ますことができるのはありがたいような・・。

高山市内
<<曳き揃えに向かう屋台>>
屋台は、普段は各町内にある「屋台蔵」と呼ばれる建物に納められていて、お祭りのときに曳き出されてくる。
祭りの当日、「曳き揃え」を行う場所に向かって、進んでいく。ゆっくりのようで、割と早いので、すぐに先に行ってしまう。

高山市内

中橋を渡るのは、鳳凰台(ほうおうたい)。手前は、崑崗台(こんこうたい)。

漢字の読みで、つい「だい」と濁って読みたくなるが、「たい」と読むそうだ。 確かに、屋台であるから「たい」で間違いはないようだ。

中橋は、朱塗りの橋で、橋を渡ったところが高山陣屋(昔の代官所)になる。

高山市内

高山市内

<<からくり演武>>
右が石橋台(しゃっきょうたい)、左が龍神台(りゅうじんたい)。

高山祭の名物は、屋台上にあるからくり人形である。人形とは思えないような、素晴らしい動きをする。 それぞれ、数人がかりで何十本という糸を操って、人形を動かすということだ。

高山陣屋前の広場と交差点を通行止めにして、演武の場所とし、からくり演武を行う三つの屋台を並べる。 屋台の前は人で埋まり、まさに、身動きができない状態。

こちらは、一時間くらい前から場所(座って待てて、かつその上に立てるところ)を確保し、ゆっくりと開始を待つ。 でも、日陰だったため、少し寒い。かえって人が集まるにつれて風を遮ってくれたため、しのぐことができた。 皆さんは立ちっぱなしで、お疲れだったでしょう。でも、疲れなんか忘れさせるような、素晴らしい「からくり」でした。

一番左は、三番叟(さんばそう)。

高山市内
      <<三番叟>>
高山市内
      <<龍神台>>
高山市内
      <<石橋台>>
童が曲に合わせて舞いながら、箱のふたを開ける。中にある翁の面を付け、また舞い続ける。

童子が壺を持って現れ、前面に突き出ている樋の先端に置く。しばらくして壺が龍神に変わり、紙吹雪をまき散らしながら舞う。

石橋人形が舞っているうちに、獅子に変わり、また元に戻って舞い納める。


高山市内
<<高山陣屋>>
高山は、戦国時代の金森長近を藩祖とし、元禄年間に金森氏が出羽上山に移封された後、天領となって代官が置かれた。

天領時代の代官の役宅・役所・蔵等が現存しており、高山陣屋として公開されている。

高山市内

からくり演武を見た後、目の前にある高山陣屋に入る。

市内の桜は、まだイマイチだが、ところどころきれいに咲いている場所がある。ここの庭にも、一本だけきれいに咲いていた。
(写真には写っていません)

高山市内


高山祭の喧騒がうそのように、陣屋内は静かで、落ち着いた雰囲気でいっぱい。

少しお腹がすいてきたが、付近にはめぼしい食堂がない。かつ、お昼の時間ということでどこも満員で外にまで列ができている。 仕方がないので、目についたパン屋で菓子パンを買い、食べながら曳き揃えを見ることにした。

高山市内
<<屋台、曳き揃え>>
手前が琴高台(琴高という仙人が鯉に乗っている図)、次が崑崗台。

市内の川原町に、8台の屋台が勢ぞろい。以下、素敵な装飾をご覧ください。

高山市内

崑崗台の見返り(鹿に寿老人)。

立派な刺繍や、彫り物は、当然のことながら、雨にあてるわけにはいかないので、雨の日には出てこないらしい。
京都の祇園祭は、ビニールをかぶって出てくるんだけど、その差はなんなんだろう。
でも、雨の日には、代わりに小さい看板みたいなものが出てくるのだそうだ。当日の見物客はかわいそう。

高山市内

崑崗台の人形(からくりのようだが動かない)。

屋台が角を曲がるときは、屋台の下から、横向きの第三の車が飛び出し、三輪車の形で、一気に方向を変える。 さすが、からくりがさかんな趣向である。

高山市内

恵比寿台の龍の彫刻。

高山市内

五台山の獅子牡丹の幕。

高山市内


手前が青龍台。

高山市内
<<古い町並み>>
屋台を見てから、古い町並み(伝統的建造物群保存地区)を通って駐車場まで戻ることにした。 来るときは朝市経由だったんだけどね。

高山市内

龍神台のからくり人形。

屋台は、お祭り期間外は、各町内(管理単位)ごとに、屋台蔵と呼ばれる建物の中に格納されている。 龍神台の屋台蔵の隣で、からくり人形が飾られている。「当番飾り」という。
龍神と唐子のからくり人形は、先ほど見たからくり人形の先代のものらしい。
奥に見えるのは、弁財天。

高山市内


布引橋付近

高山市内
<<高山屋台会館>>
秋祭りの屋台、が飾られていた。
手前から、神楽台(かぐらたい)、神馬台(じんまたい)、豊明台(ほうめいたい)、布袋台(ほていたい)。
布袋台のからくりは、横棒を童子が次々にわたっていくという、アクロバティックなもの。

高山市内

桜山八幡

ここが、秋祭りの主会場。春は閑散としていた。