2013年6月2日 昨日は、雨に降られなかった。むしろ、晴れの方が多い日であった。

今日は木曽路の後半戦。妻籠、馬篭は、午後に回す。

福島宿は今日回る計画だったのだが、昨日、効率よく回れたため、福島宿は昨日のうちに回ってしまった。 少し余裕ができているので、追加で、阿寺渓谷も予定に入れることにした。


<<「是より北 木曽路」の碑>>

木曾の桟

木曾の桟

<<木曽の桟>>
「木曽八景:桟の朝霧」

木曽の桟とは、木曽路の難所,崖が川の間近に迫っているところにある。
昔は、崖に杭を打ち込み、その上に板を渡していたのだが、後に、崖際に石垣を積み上げて橋を架けるようになった。

現在では、昔組み上げられた石積みを残して、その上を国道が走っている。

国道から、木曾の桟バイパスを通って対岸に渡った。
国道からも、直接赤い橋で渡れるのだが、信号もなく、道も狭いので、避けたいところ。

朝も早く(と言っても八時半すぎ)、客はいない。川面は鏡のように景色を写している。
寝覚の床

<<寝覚の床>>
「木曽八景:寝覚の夜雨」

町営の駐車場にとめて、遊歩道の中を寝覚の床に向かう。 クマに注意などという看板を見ると、つい、早足になってしまう。

寝覚の床の看板から先の遊歩道が、浦島堂まで通行止めになっていた。 ここで引き返す。

小野の滝

<<小野の滝>>
「木曽八景:小野の瀑布」

ほんとうに、国道の脇に滝がある。
バス停のような駐車場があるため、そこに車を停める。 国道があり、中央本線の高架(単線)があり、その先に滝がある。

阿寺渓谷

阿寺渓谷

阿寺渓谷
<<阿寺渓谷:六段の滝>>

そんなわけで、ちょっとわき道にそれることにする。

木曽路は、木曾川沿いにできているため、当然のことながら、両岸はすぐに、山中に入ってしまう。 北西側の岸は、高原地帯を経て御嶽山につながっているが、渓谷にも恵まれている。

阿寺渓谷は、妻籠宿と上松宿の中間あたりで、北西側に分け入る。

渓谷沿いにしばらく山の中を進む。道幅は1車線とは言いつつ、かなり余裕があり、アップダウンもない。快適なドライブ。 遊歩道の入り口まで、小野の滝から40分ほど。
島木赤彦の碑「山深くわけ入るままに谷川の水きはまりて家一ツあり」

遊歩道に入ったが、いきなり、とんでもない山道になったため、即あきらめて、車道からの見学に切り替える。ある意味で正解。 きれいに六段の滝が見えた。遊歩道を行くと、この滝を間近に見ることができるらしい。

<<阿寺渓谷:犬帰りの淵>>
<<阿寺渓谷:狸ケ淵>>

水清く、まさにエメラルドのような色で、そこまで透けている。

帰り道では、要所要所で車を停める。道幅はそんなにないが、車を停められないほどではない。

名所と言われる場所には、看板が出ており、観光客にも親切。ここは来てよかった。きれいな写真も撮れたしネ。



阿寺渓谷

<<阿寺渓谷:雨現の滝>>

雨が降った時だけ現れるという、雨現の滝。
真ん中の岩場のところに水が流れ落ちている。
雨現の滝

妻籠宿
<<妻籠宿:高札場>>
妻籠宿に入った。一般用の大駐車場に入れて、古い町並みに出る。

やっぱり、ここは人が多い。
込み合う前に、お昼を食べる。何か甘いものが無性にほしくなり、ぜんざいを食べる。

北のはずれに、というか、入口に、高札場がある。(写真の正面)

妻籠宿
<<妻籠宿:鯉石>>
大きな石、鯉石という。昔は鯉の姿をしていたらしいが、いまはどうなのか。明治の地震で壊れて、形が変わっているらしい。

妻籠宿

妻籠宿
<<妻籠宿:脇本陣奥谷>>
脇本陣。普段は、別のお仕事をしているのだが、本陣が一杯になったりしたときに、本陣の代わりになるところ。
係の方から、丁寧に説明をしていただいた。囲炉裏には火が入り、雰囲気満点。

副業をしていたため、本陣より裕福であり、正面(外面)をのぞいて総ヒノキ造りとなっているとのこと。 木曽桧は、江戸時代は尾張藩の占有物であり、明治以降は伊勢神宮の式年遷宮用の材木として保護されたため、 明治初めのわずかな期間しか、民間での使用がされていない。実に、奇跡的な建物である。

板張りの床や壁は、今でも毎日布巾掛けをしており、その結果、壁は、手の届く範囲(2m程度)が黒光りしていた。


<<妻籠宿:ます形>>
鍵の手になっている部分。右手から来た街道筋は、ここで正面の道に曲がっていく。

妻籠宿

<<妻籠宿:寺下地区>>
枡形の先にある。妻籠宿の中で、最も古い地区で、いち早く町並みの保存を行ってきた区域だそうである。

大妻籠
<<大妻籠:男滝>>
妻籠から馬篭に通じる道。 途中に、男滝・女滝がある。

ここにも、小さい駐車場があり、道路から川に降りる遊歩道がある。

大妻籠

<<大妻籠:女滝>>
男滝のすぐ隣にある女滝。

男滝女滝と併せて、吉川英治の小説「宮本武蔵」(風の巻・男滝女滝)の舞台になった場所である。

馬籠宿
<<馬籠宿:高札場>>
今日の最終目的地は、馬籠宿である。

展望台にまず登る。少し雨が降ってきた。結局、今回の旅行中で、唯一、雨に降られることになった。 展望台からは、恵那山が見えるはずなのだが、残念。

展望台から、町並みに向かう。 まず、入口の高札場。例によって、というか、すぐ目に付く場所に高札場がある。

馬籠宿
<<馬籠宿:町並み>>
馬籠宿って、こんなに勾配が急だったでしょうか。

以前に来た覚えがある。というか、藤村の記念館を訪ねた記憶があるのだが、 町並みのイメージは、むしろ、奈良井宿の町並みのイメージが強い。 人の記憶とはあてにならないものだ。

馬籠宿
<<馬籠宿:藤村記念館>>
有名な島崎藤村の記念館。

馬籠宿



馬籠宿

<<馬籠宿:南側出口>>
展望台から、街道を下ってくると、最終的にはここまで出てくる。 藤村記念館は、丁度、中間地点付近のようだ。

実際は、中抜けして車でここまでやってきた。

馬籠宿
<<是より北・木曽路>>
この石碑を見ないと、木曽路の旅は終わらない。でも、道は細く、地図の目印もない。 とにかく、街道筋をまっすぐくると、やっと見つかった。
碑文「是より北 木曽路」は、藤村の揮毫によるものだそうである。

となりに、芭蕉の句碑。
「送られつ送りつ果(はて)は木曽の穐(あき)」

大分、雨が強くなってきた。
今日はここまで。