2016年8月15日
終戦記念日だった。 お盆に東京にいるなんてことは、そうある話ではないので、この日でなければいけないところへ行ってみることにした。

しばし、戦没者に思いをはせつつ、今の世相を感じ取るつもりである。

靖国神社
<<靖国神社:第一鳥居>>

靖国神社
<<靖国神社:第一鳥居>>
地下鉄九段下の駅から、靖国神社を目指して出口を出ると、 普段はあまりお目にかかれない、というか本当にこんな考えの人がいるのかという感じの人が、 うようよと歩道上を埋めていた。

曰く「教科書に家族愛・祖国愛を」、
曰く「不敬言動断固粉砕」、等々
境内に入るまでは、各宣伝団体がビラ配りを行っていて、前に進めないほどである。 時々、旧日本軍のコスプレをした人まで出てくる始末。 神社の中にいる間中、ずっと、恐怖を感じていた。

靖国神社
<<靖国神社:大村益次郎像>>
さすがに中に入ると、そういったおかしな団体は中で宣伝活動を行うことはかなわず、 静謐な感じではあるが、何しろ参拝の人の数が多い。初詣の様相を呈してきた。

正面塔の上に立っているのが、大村益次郎像。大河ドラマ「花神」の主人公である。 大村は、長州において第二次長州征伐に抗して勝利をおさめ、戊辰戦争の官軍側の事実上の総司令官であった。 しかし、戦争終結後、長州の元藩士らに暗殺される。日本陸軍の祖とされる。

靖国神社

<<靖国神社:第二鳥居〜神門>>
参道をまっすぐに進み、第二鳥居に至る。

靖国神社
<<靖国神社:参拝者の列>>
神門から入ったところで、参拝者の列にぶち当たる。 木々の間にはミストの吹き出る装置がつるされており、暑さをしのぎやすくしている。 その他にも、大きな大砲のような機械があちこちにあり、そこからも霧が吹きだされている。 そのせいか、あるいは全体的に年齢層が上だからか、列は非常に静かに進んでいく。

靖国神社

<<靖国神社:拝殿>>
拝殿正面の階段前に、白布が敷かれ、賽銭はそこに投入れるようになっている。 参拝者は、拝殿に上がることなく、その手前で、参拝する。 本当に、初詣を思い出させる。

拝殿の裏に、本殿および霊璽簿奉安殿がある。 ここからは、屋根の一部が拝めるだけ。

終戦記念日ということで、国会議員の参拝を待つ記者の群れが、拝殿脇の到着殿の入り口を占有していた。 また、国会議員の参拝を応援する支持者も、参拝を待って人垣を作っていた。

靖国神社
<<靖国神社:遊就館>>
戦没者の遺品などを収蔵、展示する施設である。 過去の事実に対する、靖国神社からの視点で編集された展示がされている。 単純に戦没者を悼むということではなく、侵略戦争を正当化する意図を持っているが故に、 戦没者の慰霊の中で靖国神社は大きな立ち位置を占めてはいけない施設であると思う。

靖国神社

<<靖国神社:靖国会館>>


千鳥ヶ淵

<<千鳥ヶ淵>>
千鳥ヶ淵は、江戸城(皇居)北西にある堀の名称である。 一帯の散歩コースは、靖国の喧騒と違って、静穏そのもの。ただ、外国人の姿を多く見かけた。

千鳥ヶ淵
<<千鳥ヶ淵戦没者墓苑:西門>>
千鳥ヶ淵には、戦没者の墓苑がある。 先の大戦で海外でなくなられ、引き取り手のない遺骨を集めて、作られた。 いわゆる「無名戦士の墓」であるが、一般人の死者も含まれている。

靖国神社とは打って変わって、ほとんど参拝者が居ない。そのせいか改札間の姿がやけに目立つ。

千鳥ヶ淵

千鳥ヶ淵

千鳥ヶ淵

<<千鳥ヶ淵戦没者墓苑:前屋>>


御製
今上天皇御製
  戦なき世を 歩みきて思い出つ
  かの難き日を 生きし人びと
   常陸宮華子妃殿下謹書


<<千鳥ヶ淵戦没者墓苑:本屋内陶棺>>
前屋を抜けて、正面の六角の堂が本屋となる。

屋内に陶製の棺(古代豪族の棺に似せて作られているという)が 安置され、その下の地下納骨室に遺骨が納められている。

お参りをする場所には祭壇が作られ、そのわきにはここにも、記者の一群が待ち構えている。

皇居周辺
<<皇居周辺:英国大使館>>
ここから、堀沿いに、東京駅まで歩くことにした。

まずは、英国大使館。

左手に堀を見ながら進む。

皇居周辺

<<皇居周辺:国立劇場>>
半蔵門を経て、国立劇場。

皇居周辺
<<皇居周辺:警視庁>>
ちらほら先端だけ見える国会議事堂を過ぎ、桜田門。 ここには、警視庁がある。

皇居周辺

<<皇居周辺:赤レンガ庁舎>>
警視庁の向かい、郷愁を誘う赤レンガ庁舎。旧法務省本館。

皇居周辺
<<皇居周辺:二重橋>>
久しぶりの二重橋。何年振りだろう。どう考えても、この構図にしかならない。

皇居周辺

<<皇居周辺:東京駅>>
東京駅の正面は工事中。 でも、写真を撮れるスペースだけあいている。