2019年6月8日
 結婚30周年ということで、奥さんが休みの時に合わせて、半年以上前から計画を立てて、念願の北海道に行ってきた。 私は、一応、仕事で二回、北海道に行ったことがあるのだが、空港と事務所の行き帰りだけで、全く観光をしていない。 いわば初めてと同じ。ということで、王道の初心者コースを考えてみた。

支笏湖
<<支笏湖:恵庭岳>>

支笏湖
<<支笏湖畔>>
一日目の宿泊先は洞爺湖畔の洞爺湖温泉とした。 朝一番で飛行機で新千歳に降り、レンタカーを借りて、支笏湖に。 天気は上々、梅雨のない北海道ならではの天気である。(ちなみに出発の地元は雨ふりだった)

支笏湖ビジターセンタ近くの駐車場に車を停める。適度に混んでいる。 降りると、明るい日の下、穏やかな林の中に出る。

支笏湖

湖畔まで近づく。

支笏湖

支笏湖

<<支笏湖畔:山線鉄橋>>
赤い鉄橋は、現在は歩道になっているが、かつて支笏湖周辺の木材を製紙工場に運ぶ鉄道が引かれていたのだという。 北海道の製紙工業の歩みを物語る近代化産業遺産に指定されている。





<<支笏湖>>
湖水面は波もなく鏡のようである。透明度も素晴らしく、湖底や、泳ぐ魚などが橋の上から見ることができた。 さもありなん。支笏湖は、常に摩周湖と透明度の日本一を争っている湖なのだそうだ。

支笏湖は、約4万年前の火山大噴火によって形成された支笏カルデラに水がたまったカルデラ湖である。 周囲には、恵庭岳(標高1,320m)、風不死岳(標高1,102.5m)、樽前山(標高1,041m)などがあるが、 いずれも、支笏カルデラができた後の、カルデラ壁にできた火山である。

周囲は40km、水面積78.5km²(国内8位)、標高247m。 最大水深は360mで2位(1位は田沢湖:423m)、貯水量は20.9km³で2位(1位は琵琶湖:27.5km³)。

支笏湖
<<支笏湖:右は恵庭岳、左は風不死岳>>

洞爺湖
<<昭和新山>>
異様な風景とはこのことか。 突然目の前に現れる赤茶色の山。

昭和18年(1943年)から昭和20年(1945年)にかけての噴火活動で形成された溶岩ドーム。 標高は、現在398m、活動中の火山であり、今もなお山腹から噴煙が上がっている。 のどかな田園地帯の中に、ある日突然噴火活動が始まり、山ができるという、 まさに地球レベルの地殻変動を目の前にする景色である。

洞爺湖
<<昭和新山駐車場>>
昭和新山の向かい側にはお土産店が立ち並ぶ。 その背後には、有珠山があり、ここからロープウェイが出ている。 また、その先にはクマ牧場もあるとか。

洞爺湖
<<有珠山ロープウェイ>>
昭和新山と有珠山の間(山麓駅)から、有珠山の大有珠下(山頂駅)を結ぶ、距離1370m、高低差356mのロープウェイ。 昭和40年(1965年)に営業開始しているが、昭和52年(1977年)の有珠山噴火により被害を受け、 昭和57年(1982年)に新設に近い復旧工事の末、営業再開した。

現在も活動中の火山のそばに作られたロープウェイ。なんと広々とした100人乗り。 いざ火口原に。

洞爺湖

<<洞爺湖展望台>>
山頂駅のすぐわきに洞爺湖を見下ろす展望台がある。 うまい具合に、撮影用の見晴らし台まであって、記念撮影にはもってこい。

洞爺湖は、約11.4万年前の大噴火によって形成された洞爺カルデラに水がたまったカルデラ湖で、ほぼ円形をしている。 中央に浮かぶ4つの島を総称して中島と呼ぶが、これは約5万年前の噴火による溶岩ドームと火災丘でできている。

周囲は50km、水面積70.7km²(国内9位)、標高84m、最大水深は180m、貯水量は8.2km³。

洞爺湖
<<有珠火口原展望台:正面は有珠山>>

洞爺湖
<<有珠火口原展望台:洞爺湖と昭和新山>>
山頂駅から、20分ほど遊歩道を登ると、有珠火口原展望台に着く。 目の前には有珠山、下方には洞爺湖と昭和新山、後ろには火口原が・・。 四方、どちらを見ても絶景が広がっている。

有珠山は、噴火の歴史に従って、大有珠、小有珠に加えて、有珠新山の、それぞれの頂を持つ。 多分ここから見えるのは大有珠の山塊だろう。

洞爺湖

<<有珠火口原展望台:銀沼火口>>
昭和52年(1977年)〜昭和53年(1978年)の噴火時の火口。 前回の噴火時には昭和新山ができ、この噴火では有珠新山ができている。

この火口をめぐる外輪山沿いに遊歩道があり、小一時間ほどで外輪山展望台に行くことができる。 今回は、時間と体力の関係でカット。

洞爺湖
<<有珠山金比羅火口展望台:有くん火口>>
平成12年(2000年)の噴火時は、西山と金毘羅山に火口ができた。 金比羅山火口に水がたまりエメラルド色の火口湖ができている。 2カ所あり、それぞれ有くん火口と珠ちゃん火口と名付けられているらしい。

この時間になって、雲が広がってきた。 晴れていれば、もっと鮮やかな色を見ることができたかもしれない。

洞爺湖

<<有珠山金比羅火口展望台:洞爺湖>>
洞爺湖温泉街と、手前には2000年噴火時の噴火遺構が見える。 金比羅火口からの熱泥流が温泉街に達した。手前に見えるアパートは桜ヶ丘団地、その先には町営温泉やすらぎの家。 その他、国道や小学校などにも被害が及んだ。

次のパノラマ写真を見ると、火口と町の位置関係や距離が、実感できる。

洞爺湖
<<有珠山金比羅火口展望台>>

洞爺湖
<<月浦展望台>>
月浦にはどうしても行きたかったのだが、結局、この展望台だけになってしまった。 短時間では、なかなかふらつくことはできないからね。

思ったよりも高台にあり、少し階段を上って、展望台にたどり着く。

洞爺湖

<<月浦展望台:洞爺湖>>
月浦は、映画「しあわせのパン」の舞台となった土地である。 主演は、原田知世と大泉洋、ほぼ全編が、ここ月浦で撮影された。







夕日が沈むころになって、晴れ間が広がってきた。 遠景に、富士のような羊蹄山のシルエットが浮かんでいる。

洞爺湖
<<洞爺湖畔:中島と羊蹄山>>