2019年9月22日
 四万温泉の帰り道、日帰り温泉のはしごでも、と思ったのだが、奥さんは世界遺産になった富岡製糸場を見たいという。 ちょっと距離はあるのだが、運転は嫌いではないのでもう少し足を延ばすことにした。
 せっかくここまで来たので、碓氷峠の第三橋梁もコースに入れてみた。

碓氷第三橋梁
<<碓氷第三橋梁>>

富岡製糸場
<<富岡製糸場:入口>>
3連休の真ん中の日曜日ということで、さすがにここは観光客であふれていた。 近間の市営駐車場には列ができていたため、かねて調べておいた民間の駐車場へ・・。 二時間程度では、どこでも料金に大きな違いはない。

名物のお蕎麦とうどん(おっきりこみ)をそれぞれお腹に入れて、製糸場に向かう。

ここも、人であふれている。

富岡製糸場

富岡製糸場

富岡製糸場

<<富岡製糸場:東置繭所>>
富岡製糸場は、明治5年(1972年)に設立された日本初の大規模な器械製糸の工場である。 正面のアーチの要石に「明治五年」と刻まれた石が組み込んである。 官営の模範工場として設立され、その器械や技術は、こののちに続く各地の製糸工場に取り入れられた。

その後、三井家に払い下げられ、原合名会社、片倉製糸紡績会社(現片倉工業)と変遷し、 昭和62年(1987年)に操業を停止した。 操業停止後も片倉工業は、「売らない、貸さない、壊さない」の方針を堅持し、製糸場を良好な保存状態で保った。 富岡製糸場が今日あるのには、この片倉工業の方針が大きく寄与していると思う。

施設の価値が見直され、公的支援の必要性を求める運動の高まりを受け、 平成17年(2005年)に富岡市に寄贈され、平成26年(2014年)には世界遺産に登録された。 東置繭所、西置繭所、繰糸所の3棟は国宝に指定されている。


東置繭所は木骨レンガ造り二階建て。レンガはフランス積みという積み方をしている。
そう言えば、先日訪れた斜陽館の煉瓦塀は、フランス積みとイギリス積みが併用されており、 館内にはフランス積みとイギリス積みの比較資料が展示されていた。


<<富岡製糸場:東置繭所二階>>
この日は、東置繭所の二階も公開されていた。 見事な天井の木組みが、奥のほうまで続いているのは壮観である。

富岡製糸場
<<富岡製糸場:繰糸所>>
この建物も国宝に指定されている。木骨レンガ造り平屋建て。

富岡製糸場
<<富岡製糸場:繰糸所内部>>
明り取り用の大きな窓をもった建物で、内部には操業時に使用していた器械が残されている。

かいこから糸を紡ぐ実演も行っていた。どのように糸の端を見つけるのか長年の疑問が解けたような気がする。 ちょっと、大げさかな?

富岡製糸場

<<富岡製糸場:寄宿舎>>
この寄宿舎は、昭和15年(1940年)に建設された。


以前に訪れた時は、観光客も少なく、ガイドも無料で、気持ちよく見学できた思い出がある。 世界遺産に登録された後、見学料は倍額となり、ガイドも有料になった。 補修の必要もあるだろうし、維持管理も大変だと思うが、もう少し何とかならないものかと思う。

碓氷湖

碓氷湖
<<碓氷湖>>
JR横川駅の脇にある碓氷峠鉄道文化村を起点として、碓氷峠熊ノ平までの約3.3kmが、 遊歩道アプトの道として整備されている。 富岡製糸場から家に帰る途中で、ちょっとわき道にそれてその一部を探訪することにした。

碓氷湖は、碓氷川(次の碓氷第三橋梁の下を流れている)と中尾川の合流地点にあり、坂本ダムのダム湖である。

遊歩道と一体になって整備されているからか、湖を一周する道も歩きやすくなっている。


湖の向こう側に由緒ありげな橋が・・。 それほど古い橋ではない。20年ほど前に整備された、「ほほえみ橋」という。 前の写真に写っている橋は、「夢のせ橋」といい、もう少し大きな橋である。

鬱蒼とした森の中に浮かぶオアシスといった感じで、心が安らぐ。 天気が良いともっと明るい雰囲気になるのだろう。

碓氷湖


碓氷湖は、ここ坂本ダムのダム湖 ゆっくり歩いて30分程度の遊歩道になっている。もちろん、二本の橋もその一部になっている。

碓氷第三橋梁

碓氷第三橋梁

<<碓氷第三橋梁>>
碓氷湖から、国道に戻ってすぐ、目の前に巨大な橋が突然現れる。 思わず声が出るほど。 ただ、駐車場はここを通り過ぎて300mほど先に行かなくてはいけない。 広い駐車場なんだけど、端にしか止められない。幸いにも入れ替わりに出ていく車があって、すぐ停めることができた。

ここは旧国鉄信越線の鉄道橋として建設され、明治26年(1893年)に竣工し、 昭和38年(1963年)にアプト式鉄道が廃止されるまで使用された。 全長91m、川底からの高さ31m、現存するレンガ造りの橋では日本最大規模を誇る。


橋脚の脇から橋上に上る階段がある。 階段と言っても、山道に近いようなゆるいもので、下から見上げるほどの距離感はなかった。 「山ヒルに注意」などという看板が出ており、ビクビクもの。 雨模様で葉が生茂っていることも併せて、さもありなんといった気になってしまう。