2021年4月28-29日
 2日目は、上越線沿線の奥湯沢へ。冬場はスキー客でこの辺りはごった返すところだが、スキーの季節はもう終わり。 でも、ようやく桜が咲いているところで、新緑にはまだ早い。ちょっと狭間のような季節であった。

清津峡
<<清津峡:ライトケーブ(光の洞窟)>>

竜ヶ窪

竜ヶ窪

竜ヶ窪

<<竜ヶ窪>>
名水百選の一つ。

信越の県境の苗名の滝から、一旦長野県に入り、千曲川沿いに飯山市、栄村を経て、津南町に入る。

この地一帯は、日本有数の豪雪地帯として知られる。 苗場山・鳥甲山などの山塊に降った雨や雪が伏流水となり、信濃川の河岸段丘沿いに湧き出ている。

深い森の中の脇水であるため、立木の陰になり、なかなか池面を見ることができない。 幸いにも、冬枯れのため、池に近づくことができた。

静かなように見えるが、湧水量は毎分30トン、日量43,000トンになる。 池は、水深1.5m、面積11,900u(長径220m、短径70m)、標高は450m。 ほぼ一日で池の全水量が入れ替わるような量である。


■□ 竜に関する伝説 □■
ある年日照りが続き、食料に困った村人が竜の卵を盗んで食べようとした。 それを知った母竜が村に仕返しにやってきた。 「子供だけでも助けて欲しい」という村人の心に打たれ、3日3晩雨を降らし続け、この地を作ったという。

また、暑さを避けるために池に入った村人が亡くなった話とか、 池のほとりの木を切り出すことになったが、うまく切り倒すことができず、池に沈んでしまった話とか、 いずれにしろ、極めて神聖な池として信仰の対象になっている 。

二居ダム

二居ダム

<<二居ダム>>
湯沢から国道17号線沿いに進むと、二居ダムへ入る道がある。 信濃川の支流である清津川にある揚水式のロックフィルダムである。

揚水発電とは、夜間等の余剰電力を使って下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池)に水を移し、 昼間等の電力必要時に上池から下池に流すことで、発電を行うものである。

この二居ダムは、奥清津発電所の下池の役割を持つ。 上池に該当するのは、上流のカッサダム及び田代湖である。


本来は、堰堤の上まで出る道があるのだが、通行止めで行くことはできなかった。 桜の木の後ろに見える巨大な壁のようなものが、ダムの堰堤である。

堤高87.0m、提頂長280.0m。

貝掛温泉
<<貝掛温泉>>
国道をはずれ、貝掛坂と貝掛橋を渡り、貝掛温泉に着く。山道は、狭くすれ違いができない。 特に貝掛橋は、車が一台やっと通れる幅しかない。(写真参照)

でも、ここを大型のトラックが通るという。信じられない!

貝掛温泉

貝掛温泉


道の突き当りは開けていて、大きな宿がある。秘湯の一軒宿、貝掛温泉である。

鎌倉時代に白雲禅師により開湯、戦国時代には、上杉謙信の隠し湯として知られる。 江戸時代には、三国街道を通る商人や僧侶が立ち寄り、目の温泉としての効能が広まった。

昭和初期の大洪水で一時廃業したが、昭和30年(1955年)、眼底出血を患った先代がこの地に戻り復興した。 その後も苦難は続くが、カッサ川ダム(昭和33年-1958年)、貝掛橋(昭和42年-1967年)などが完成し、 高速道路や上越新幹線の開通もあって、都心にも近い秘湯となった。

貝掛温泉

貝掛温泉

貝掛温泉

<<貝掛温泉:館内>>
建物は思ったよりも大きく、かつ、古い材木を使っている。 天井も高く、梁がむき出しになっていて、古い建物の風情もある。

しかし、サッシやトイレ、エアコンなどは、新式の設備が施されていて、 不自由さを感じさせず、アンティックな雰囲気を楽しめて、快適である。

貝掛温泉

貝掛温泉

貝掛温泉

<<貝掛温泉:温泉>>
源泉はぬるめで、眼病に良いと聞く。長湯をして温まらないといけない。 もっとも、隣に、少し温めた湯槽もあり、こちらは丁度よい塩梅になっている。





貝掛温泉 貝掛温泉
左は観音様。
右は恵比寿様かな?鯛を担いでいる。






天井は高く、湯気抜きの窓が開いている。

清津峡

清津峡

清津峡

<<清津峡>>
信濃川の支流である清津川が形成した峡谷。先ほどの二居ダムの下流にあたる。 黒部峡谷、大杉峡谷と並んで、日本三大峡谷とされる。

かつての遊歩道の時代には、落石で被害者の出たこともあったが、平成8年(1996年)の清津峡渓谷歩道トンネルの完成により、 安全にかつ容易く、渓谷の中心部を覗くことができるようになった。

これが柱状節理だ。といった景色が続く。 柱状節理という言葉も、ここで覚えたような。



「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、越後妻有地域(十日町市・津南町)で開催される国際芸術祭で、 2000年に初回開催されてから、今年で八回目を数える。

清津峡トンネルも、第七回(2018年)の会場となって好評を博した。 特に、ライトケーブ(先頭の写真)は、芸術祭と清津峡の名声を高めた。

芸術祭の期間を過ぎた後も、継続して展示されている。

清津峡
<< Tunnel of Light >>
=第二見晴所:見えない泡・Flow=
中央の建物はトイレ。中からは、半透明のガラス越しに外を眺めることができる。 中で用を足すには、ちょっと勇気がいるかも。

建物は以前からあったらしいが、周りの壁の塗装の公開は今年からの新作である。

清津峡

=第三見晴所:しずく=


清津峡


=パノラマステーション:
 ライトケーブ(光の洞窟)=
床には水が張られている。端の方はそんなに深くはなく、普通の靴でも、静かに歩けば濡れることはない。 人がたくさんいると、水面に波が立って、きれいな写真は撮れない。しょうがないね。