2024年4月28日
 桜の代わりに、花桃の里を訪れることにした。 といっても、花の名前には疎いので、どこが違うのか分からない。
 帰り道にどこを廻るか迷ったのだが、滅多に通ることのない大町糸魚川線を選んでみた。 白馬村を経由する国道148号線である。 山間のどこかに名残の桜を期待してみた。

余里一里花桃の里
<<余里一里花桃の里>>

余里一里花桃の里

余里一里花桃の里

余里一里花桃の里

<<余里一里花桃の里>>
上田市の武石余里地区、一里(4km)にわたって、約2000本の花桃が花を咲かせている。

昔、この里には二本の大きな花桃の木があった。 ひとつを「本家桃」、もう一つを「長女桃」といったという。

地元の「花咲かじいさんクラブ」の方々が、自分たちだけで楽しんではもったいないということで、 実を播き、芽を育て、数を増やしていったのだという。


里の入り口や、途中途中に何カ所かの駐車場がある。 なにしろ全部歩くと4kmもあるので、全部回るとなると大変だ。

高低差があるので、花の時期も若干異なる。 適当なところに停めて歩くのが良い。

余里一里花桃の里

余里一里花桃の里

余里一里花桃の里




木落坂

木落坂

<<木落坂:坂の上>>
諏訪大社では、社殿の四隅に樅の大木が立てられている。 これを御柱と言い、7年目ごとの寅と申の年に立て直される。

下社(春宮・秋宮)の御柱は、下諏訪町の国有林から切り出され、途中、この木落坂を駆け下る。

御柱祭りのハイライトと言える神事である。


その木落坂に来てみた。 上田から松本に抜けるルートの一つが、この木落坂を通る。

まず坂上から見ると、下が見えないほどの急傾斜(最大斜度35度、距離100m)である。 本当に、こんなところを駆け下るのかと信じられない思いである。 落ちるのと同じではないか。

木落坂

木落坂

<<木落坂:坂の下>>
回り道をして、坂下に降りてみる。 下から見ると、そんな傾斜とは思えないが、やはり迫力いっぱいである。

実際の御柱祭りの時には、この坂の一帯が人で埋まるのだろう。

北アルプス
<<北アルプス:梓川SAから望む>>

仁科神明宮
<<仁科神明宮:社号標>>
長野県には、国宝とされる建造物が数多く存在する。 善光寺本堂、松本城天守閣、旧開智学校、安楽寺八角三重塔、大法寺三重塔、 そして、ここ仁科神明宮の本殿・中門・釣殿である。

これで、制覇かな、とたいしたことではないが嬉しくなる。

仁科神明宮

仁科神明宮

<<仁科神明宮:三本杉>>
三本の杉の巨木。根元が癒着している。 推定樹齢800年、幹回り5m、高さ50m。

昭和54年(1979年)に、三本のうちの真ん中の1本が突風によって倒伏した。 一帯は、神明宮の社叢として保存されており、巨木がそろっている。


御祭神は、天照皇大神。
創建の年次は不明である。

仁科御厨の鎮護のため、当地の仁科氏によって伊勢神宮内宮が勧請されたことによる。 その後、戦国末期に至るまで、仁科氏により維持されてきた。 仁科氏は、永禄年間に武田氏に滅ぼされ、その武田氏も織田氏に滅ぼされる。

以降は、松本藩により神事が引き継がれるが、式年造替は、寛永13年(1636年)が最後となった。

仁科神明宮
<<仁科神明宮:手水舎>>
手水舎には立派な竜がいた。

仁科神明宮

<<仁科神明宮:三の鳥居>>
石段の上にあるのは神門。

境内では、市川崑監督の映画「犬神家の一族」のロケが行われた。 映画内で、佐清の手形が奉納されていた那須神社がここらしい。 石坂浩二扮する金田一耕助がこの石段を登って行ったのだという。 なお、当時は健在だった三本杉も、映画の中に残っているらしい。

仁科神明宮
<<仁科神明宮:神門と拝殿>>


仁科神明宮
<<仁科神明宮:本殿・中門・釣殿>>
神明造の神社は伊勢神宮をはじめとして数多くあるが、国宝指定を受けているのは、ここだけである。 神明造は、式年遷宮を行うため、定期的に造替される。 結果的に形式は古いがものは新しいので、国宝とはされない。

仁科神明宮も、式年遷宮は行っているが、新築ではなく、修造にとどまっており、江戸初期の社殿が残されている。

仁科神明宮

<<仁科神明宮:元御神木>>
以前のご神木。倒伏したため、根元のみ残されている。 相当な巨木であったようだ。

貞麟寺
<<貞麟寺:本堂と枝垂桜>>
安曇野市の仁科神明宮から、大町市に入り、国道148号線を北に向かう。 木崎湖、中綱湖、青木湖とすぎ、白馬村に入る。

貞麟寺は本堂前の枝垂桜で有名である。 寒冷地にあるため、見ごろは若干遅れるものの、さすがにすでに葉桜となっていた。

樹高16m、周囲5.3m、樹齢は約400年と推定される。

貞麟寺

貞麟寺

<<貞麟寺:名残の桜>>
思た以上に広い境内には、名残の桜が数多く今を盛りと咲いている。



フォッサマグナパーク

フォッサマグナパーク
<<フォッサマグナパーク>>
貞麟寺を出て、また国道に戻る。 県境越えとはいえ、アップダウンもカーブも少なく、快適なドライブとなる。

JRの大糸線が並行して走る。 この道は、糸魚川静岡構造線いわゆるフォッサマグナに沿っている。


フォッサマグナパーク
糸魚川に出る直前に、そのフォッサマグナの断層が路頭に現れている所がある。

前の写真の右側(東側)が北アメリカプレート、左側(西側)がユーラシアプレートになる。

遠くに見える山は雨飾山。こちら側にも断層が伸びており、真ん中右手に見える酒造会社の大きな屋根が境目となっている。 酒造会社では、東西の別の地層から2種類の井戸水が出るのだとか。 ただし、酒造りには、西側の軟水の方が適しているらしい。

フォッサマグナパーク


大糸線。