2024年5月18日
 今日のコースは、二人だとどうしてもスルーしてしまう場所が中心。 メインの場所からちょっとずれているために、なかなか訪れることができないが、訪れる価値のある場所と言った感じ。
 いま話題の大谷資料館、大谷石の採石場の跡地が公開されていて、鍾乳洞の探検のような雰囲気を感じることができる。 もう一つは、三大稲荷と地元では称される笠間稲荷である。

大谷資料館
<<大谷資料館>>

大谷資料館

大谷資料館
<<大谷資料館>>
宇都宮市近郊の大谷町周辺で採掘される石は、大谷石と呼ばれている。 軽くて柔らかく、加工がしやすいことから、昔から、外壁や石垣などに利用されてきた。

大谷石は、大谷町周辺に、東西4km、南北6kmの範囲に広がっている。 一部で、露天掘りも行われているが、地下数十mから100mを超える地下で切り出される坑内掘りが多い。

資料館の周辺でも、露頭に出ている大谷石の断崖に囲まれている。


大谷資料館は、そんな大谷石の採掘場跡を一般に公開している場所である。

ここでは、大正8年(1919年)から昭和61年(1986年)まで採掘された後、その一部が公開されている。 広さは2万平方メートル、いちばん深いところでは地下30mに及ぶ広大な地下空間が広がっている。

大谷資料館


入口を入ると、一路、階段が地下に向かって続いている。

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館


一瞬にして空気が変わった感じがする。 広大な空間が、階段の下に広がっていた。

壁には、手彫りや機械彫りの跡が残っている。

天井を突き抜けた穴から陽射しがのぞいている。

なんでも、採掘時に地上に出て掘っている位置を確認するためのものだそうだ。


大谷資料館

壁際には、人形などで再現された採掘時の資料や、有名アーティストによるオブジェなどが展示されている。 しかし、その大部分は、無機的な空間が広がっている。

その雰囲気もあってか、数多くの映画やドラマのロケ地として使用されている。

大谷寺

大谷寺

大谷寺

<<大谷寺>>
大谷資料館から数百メートル。同じく大谷石から作られた石仏で有名な大谷寺を訪れる。



大谷寺
大谷寺

大谷寺の本尊千手観音は、平安時代(810年)弘法大師の作と伝えられる石仏で、高さは4mあり、 見るものを圧倒する迫力がある。

大谷石の岩肌に、直接、像を刻み朱を塗り土で細部をかたどり最後に金箔で装飾していたらしい。


大谷寺
=大谷寺HPから=
脇のお堂にも、同様の石仏が祀られている。 併せて、大谷摩崖仏として、重要文化財に指定されている。 大分県の臼杵摩崖仏と並んで、日本最古の石仏とされる。

現在の大谷寺の建物は、これらの石仏を守るがごとく、岩壁に潜り込むような形で建てられている。

大谷平和観音

大谷平和観音

大谷平和観音

<<大谷平和観音>>
大谷寺のそばに、大谷平和観音と呼ばれる石造の大仏像が立っている。 像高は、88尺8寸8分(26.93m)と、縁起の良い数字を並べている。

太平洋戦争の戦没者を弔い、世界平和を祈るため、大谷石採石場跡の壁面に総手彫りで彫られたもので、 昭和23年(1948年)から昭和29年(1954年)まで、6年をかけて完成し、昭和31年(1956年)に開眼されている。

大谷平和観音は、大谷観音のお前立とされる。


石仏であるため、中には入れない。 その代わりに、像脇の観覧台に上がることができ、間近に見ることはできる。


大谷平和観音のある大谷公園は、昭和初期まで、露天掘りや垣根掘りの手法で採石が行われていた場所である。

笠間稲荷
<<笠間稲荷>>
祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。

古事記では、須佐之男命(すさのおのみこと)と神大市比売神(かむおおいちひめのかみ)の間の御子とされる。 名前は、稲に宿る神秘な霊の意味で、穀物の神、転じて五穀豊穣、商売繁盛の神として尊崇を集めている。

一般的には、お稲荷さんと呼ばれ、伏見稲荷を始め全国各地の稲荷神社でも祭神として祀られている。

笠間稲荷

笠間稲荷

<<笠間稲荷:楼門>>



笠間稲荷
笠間稲荷

楼門は、昭和36年(1961年)の竣工。

大きな赤い鳥居。平成28年(2016年)の再建。 鳥居の朱色は、拝殿の色と同じ色で「笠間朱色」と呼ばれ、平成25年(2013年)以降に命名された。 街の統一感を出すためのシンボルカラーである。

鳥居をくぐると、道の両脇に門前商店街が並び、土産物などを売っている。

笠間稲荷

笠間稲荷
<<笠間稲荷:拝殿>>
拝殿は、昭和35年(1960年)の竣工。

笠間稲荷は日本三大稲荷とされる。

三大稲荷は各地の稲荷神社で称されており、伏見稲荷はその筆頭とされる。 他の二社は、それぞれの地元の稲荷社を数に入れている。 笠間稲荷の他には、
 豊川稲荷:愛知県豊川市
 最上稲荷:岡山県岡山市
 祐徳稲荷:佐賀県佐賀市
などが主なものである。


<<笠間稲荷:藤棚>>
境内には2株の藤の古木がある。
樹齢400年。天然記念物。


笠間稲荷
=大黒天=


笠間稲荷

<<笠間稲荷:東門>>
文化13年(1816年)の再建。